スキル研修教材
Go / Ruby / Python

新人SES営業向け バックエンド言語・案件読解トレーニング。技術講義ではなく、案件概要・スキルシート・登録面談・提案で「使える」判断軸を身につける教材。 言語名が同じでも、案件によって求める人材が全く違う。その違いを読み分ける。

00 / First Map

まず押さえる4点

細かい技術を覚える前に、次の4点を頭に入れておく。ここを外すと、後の章をどれだけ読んでも提案がぶれる。

1

得意分野が全く違う

Go=高速・大規模なバックエンド、Ruby=WebサービスをすばやくつくるRails、Python=Webからデータ分析・AIまで幅広い。

2

経験ありを分解する

見るべきは年数ではなく、実務か個人学習か、担当工程、フレームワーク、領域。年数は最後に見る補助情報。

3

言語名だけで合わせない

Python経験あり→AI案件、Ruby経験あり→Rails即戦力、Go経験あり→高負荷API、はいずれも典型的な誤マッチ。

4

周辺スキルが左右する

DB、SQL、クラウド、Docker、Git、CI/CD、テスト、チーム開発経験が採用可否と単価を大きく左右する。

Figure 01 / 営業が案件をさばく 4 ステップ

1 案件概要 領域と必須条件を読む 2 スキルシート 年数より中身を分解 3 登録面談 実務の具体性を確認 4 提案 通用する根拠を添える
この4ステップで案件をさばく。各段で取り出すもの(領域 → 中身 → 具体性 → 根拠)がそのまま提案コメントにつながる。

01 / Why

この教材の目的

Go / Ruby / Python を扱う案件に対して、新人SES営業が「自分で判断できる」状態になることを目的にする。

営業が判断を間違えなければ、ミスマッチは大幅に減る

エンジニアのように書けるようになる必要はない。案件概要を見て「これは何をする案件か」「どのレベルの人材を求めているか」を読み取り、スキルシートで実務レベルか個人学習かを見分ける。

登録面談では経験の中身を引き出し、候補者のレベル感を △ / ○ / ◎ で大まかに判断する。提案時には「言語名が同じだから出せる」という思い込みを避ける。

営業向け結論

最終的に答えるべき問いは「この人を、どの案件になら自信を持って提案できるか」。言語・領域・工程・周辺スキルから根拠を持って言える状態を目指す。

02 / Overview

Go / Ruby / Python の全体像

3言語を「特徴」「使われやすい案件」「評価されやすい人材」「営業が混同しやすいポイント」の4軸で整理する。

Go

高速・大規模なバックエンド

  • Googleが開発した比較的新しい言語。処理が速く動作が軽い
  • API、マイクロサービス、クラウドネイティブ、高負荷処理で使われやすい
  • API設計、並行処理、Docker / Kubernetes / GCP・AWS経験が評価される
  • 経験者の母数が少ないため、実務か学習かで中身の差が大きい
Ruby

Rails中心のWebサービス

  • 日本生まれで読み書きしやすい。Railsとほぼセットで語られる
  • Webサービスの新規開発、既存Railsサービスの保守・運用・機能追加で多い
  • Rails実務、DB設計、SQL、RSpec、運用改善経験が評価される
  • 新規開発経験と保守経験は別物。Rails即戦力かを分けて見る
Python

Webからデータ・AIまで広い

  • 文法がシンプルでライブラリが豊富。用途が極めて広い
  • Web API、データ分析、AI / 機械学習、業務自動化、バッチ処理で使われる
  • Web系、データ系、AI系で必要スキルが別物
  • Python経験あり=AI人材ではない。まず領域を確定させる

Figure 02 / 3言語の主戦場マップ

Go 高速・大規模なバックエンド API・バックエンド マイクロサービス 高負荷・クラウドネイティブ 営業の注意実務か個人学習か Ruby Rails の Webサービス Rails Webサービス 新規開発(0→1) 保守・運用 営業の注意新規か保守か Python Web からデータ・AI まで広い Web API データ分析・AI / 機械学習 業務自動化・バッチ 営業の注意まず領域を確定する
同じ「バックエンド言語」でも主戦場は別物。Go=高速・大規模、Ruby=RailsのWeb、Python=用途が広い。提案前にこの地図で当たりをつける。

3言語ざっくり比較

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観点GoRubyPython
強み速度・並行処理・大規模Web開発の速さ(Rails)用途の広さ(Web〜AI)
代表案件API・マイクロサービス・基盤RailsのWebサービスWeb API・データ分析・AI・自動化
経験者の数少ない(希少)中(既存Railsサービスの保守・追加開発では今も見かける。案件文脈を分けて見る)多い(ただし領域がバラバラ)
営業の最大注意点経験の「中身」の差が大きい新規か保守かを分けるまず「領域」を確定する

03 / Frameworks

代表的なフレームワーク

フレームワークは、言語と領域を絞り込むヒント。案件では「言語+フレームワーク」のセットで募集されることが多い。

Gin

GoでAPI・Webサーバーを作る定番フレームワークの一つ。軽量で高速。案件概要にGinとあれば、ほぼGoでのAPI/バックエンド開発。

Echo

Ginと並ぶGoの代表的なWeb/APIフレームワーク。現場の好みで採用が分かれる。GinかEchoかの細かい違いは営業が判断する必要はない。

Ruby on Rails

Rubyの事実上の標準。Ruby案件はほぼRailsとセット。RubyとRailsを分けて確認するのが鉄則。

Django

Pythonの全部入りWebフレームワーク。管理画面・認証・DB連携などが揃い、業務システムや大きめのWebサービス向き。

Flask

軽量・シンプルなPython Webフレームワーク。小規模なWebアプリ、API、社内ツールに向く。

FastAPI

近年人気が高いAPI開発向けPythonフレームワーク。データ系・AI系サービスのAPI部分にもよく使われる。

新人向けポイント

  • Gin / Echo → Go の API・バックエンド
  • Rails → Ruby の Webサービス
  • Django / Flask / FastAPI → Python の Web・API。Pythonでもデータ/AIではなくWeb寄りの合図

04 / Keywords

案件でよく出るキーワード

意味を厳密に覚える必要はない。「これが出てきたら何を確認すべきか」が分かればよい。

開発するもの

API開発バックエンドWebサービスマイクロサービス業務システム

処理の性質

高負荷処理バッチ処理データ分析AI / 機械学習業務自動化

基盤・インフラ

クラウドネイティブDockerAWS / GCP / AzureCI/CD

開発の土台

SQLGitテスト

必須 / 尚可の読み分け

案件概要にこれらのキーワードが「必須」で並んでいるか「尚可」で並んでいるかを必ず見分ける。必須は妥協できない条件、尚可は「あれば加点」。この区別を読み違えると、通らない人を強く推したり、通る人を見送ったりする。

05 / Case Patterns

よくある案件パターン

代表的な8パターンを、案件概要で見るポイント/提案しやすい人材/注意すべき人材/面談で確認すべきことの4軸で整理する。

Figure 03 / 「Python経験あり」の正しい読み方

「Python」と書いてあったら まず「どの領域か」を確定する Web開発 Django / Flask / FastAPI API設計・DB / SQL → Web系として読む データ分析 pandas・SQL 可視化・統計の基礎 → データ系として読む AI / 機械学習 機械学習・前処理 数学 / 統計 → AI系として読む 業務自動化 バッチ・定期実行 スクレイピング → 自動化系として読む 領域が違えば別人材。「Python経験あり」だけで提案しない。
Pythonは用途が最も広く、混同が起きやすい。案件・候補者の「領域」を最初に確定すれば、見るべきスキルも提案可否も一気に絞れる。

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案件パターン案件概要で見る点提案しやすい人材注意すべき人材面談で確認
GoのAPI開発Gin / Echo、API設計か既存API改修か、想定トラフィック、GCP/AWSGoでのAPI実務、API設計・DB・クラウド経験学習レベルの小さなツール、Go未経験の他言語API経験者どんなAPIを設計から作ったか、並行処理、DB・クラウドの担当範囲
Goのマイクロサービスマイクロサービス、Kubernetes、コンテナ、サービス間連携分割構成、Docker / Kubernetes / クラウド経験者モノリスのみ、コンテナ未経験サービス分割、Kubernetesの担当範囲、他サービス連携・障害対応
Rails新規開発新規開発、0→1、サービス立ち上げ、設計から任されるかRails新規開発、DB設計、要件をくみ取る力保守・運用のみ、Rails経験が浅い人新規設計・構築、DB設計、仕様が固まらない状態での動き方
Rails保守保守、運用、機能追加、改修、既存サービスの規模・歴史既存コード改修、テスト、運用経験者新規志向が強すぎる人、Rails実務が浅い人既存コード改修、他人のコード読解、障害対応
Python Web APIDjango / Flask / FastAPI、API、バックエンドPython WebフレームワークでAPI・バックエンド実務、DB・SQL経験データ分析・自動化のみ、スクリプトのみどのフレームワークで何を作ったか、DB設計、Web開発工程
Pythonデータ分析データ分析、集計、可視化、BI、pandas、SQLデータ加工・集計・可視化、SQL、統計基礎Web開発だけ、簡単な集計スクリプトだけデータの種類、分析目的、SQL・加工経験、示唆出し
Python自動化・バッチ業務自動化、RPA的処理、定期バッチ、データ連携、スクレイピング定型業務の自動化・バッチ経験者規模の大きい案件に浅い経験だけで出すケース自動化した業務、規模、定期実行・エラー時対応、外部連携
他言語からの提案言語不問、キャッチアップ前提、他言語経験者歓迎の記載設計力・基礎が固いJava/PHP経験者、学習意欲を実績で示せる人未経験言語の必須案件に確認なしで出すケース対象言語の学習状況、制作物、過去の設計・工程経験、キャッチアップ見立て

06 / Skill Sheet

スキルシートの読み方

Go / Ruby / Python 経験者のスキルシートは、言語名と年数だけ見ると必ず誤判断する。

11観点チェックリスト

  • 言語経験年数だけで判断しない
  • 実務経験か個人学習かを確認する
  • フレームワーク経験を見る
  • 担当工程を見る
  • API開発経験を見る
  • DB設計・SQL経験を見る
  • クラウド経験を見る
  • Docker / Git / CI/CD 経験を見る
  • テスト経験を見る
  • チーム開発経験を見る
  • 保守運用経験を見る

読み方のコツ

スキルシートは「言語名 → フレームワーク → 工程 → 周辺スキル(DB/クラウド/Docker/CI/CD/テスト) → チーム/保守 → 最後に年数」の順で見る。年数から見ると判断を誤る。

案件例

Python 3年 / FastAPI・Django

領域
業務システムのWeb API開発。データ分析やAIではなくWeb寄り。
工程
API設計、実装、テスト、運用まで担当。要件定義は一部補助。
周辺
PostgreSQL、SQL、AWS、Docker、Git、CI/CDをチーム開発で使用。
判定
Python Web API案件には強い。データ分析案件には別途経験確認が必要。
Go

実務か個人学習か

Goは経験者が少ないため、学習用の小さなツールと本格バックエンドの差が大きい。

Ruby

Railsと工程

Ruby経験ではなくRails実務を見る。新規開発か保守かで提案先が変わる。

Python

最初に領域を確定

Web、データ分析、AI、業務自動化は別スキルとして読む。

07 / Interview

登録面談で確認すべき質問

面談は、スキルシートに書かれた経験の中身を確かめる場。答えの具体性で実務度を判断する。

共通質問

  • 直近の案件で、その言語をどの工程で使ったか
  • そのシステムは何をするもので、利用者は誰か
  • チーム人数と自身の役割
  • DB、SQL、Git、Docker、テストコード、クラウドの経験

Go経験者向け

  • API、マイクロサービス、ツール、学習用のどれか
  • 設計から担当か、既存改修中心か
  • Gin / Echo、goroutine、Docker / Kubernetes / クラウドの担当範囲
  • 経験が浅い場合は習得方法と個人制作物

Ruby / Rails経験者向け

  • 新規開発と保守・運用のどちらが中心か
  • DB・テーブル設計を担当したか
  • 既存コード改修、障害対応、RSpecの経験
  • サービスを育てる改善・機能追加の経験

Python経験者向け

  • Web開発、データ分析、AI、業務自動化のどの領域か
  • Web系はフレームワークとAPI内容
  • データ系はデータ内容、目的、SQL、分析結果の活用
  • AI系はモデル、データ前処理、運用。自動化系は業務規模

スキルチェンジ人材向け

  • 得意言語と、そこでの設計・開発経験
  • 対象言語をどのくらい学習・実務で触れているか
  • 個人制作物、学習成果物、キャッチアップ見立て
  • これまでの経験のうち、新しい言語でも活かせる部分

08 / Level

レベル判定 △ / ○ / ◎

△=弱く読むべき経験、○=提案しやすい経験、◎=強く提案できる経験。案件の難易度と照らして使う。

Figure 04 / 回答の深さで見る △ ○ ◎

回答の具体性 × 実務の深さ → 弱く読む 経験名・年数だけ/個人学習 提案しやすい 実務でフレームワーク・ 工程を具体的に語れる 例: Rails新規でDB設計を担当 強く提案できる 設計から運用・改善まで、 領域の中身まで語れる 例: Goでマイクロサービスを 設計、k8s・CI/CDまで担当 データ系は示唆出しまで
年数ではなく、回答が △→○→◎ のどこにあるかで見極める。同じ「経験あり」でも語れる深さで提案の重みが変わる。

Go

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判定経験の状態
個人学習・スクールでGoを触った程度。小さなツールを作っただけで、実務での使用が確認できない。
他言語の経験は豊富だが、Goは学習レベル。言語不問・キャッチアップ前提なら検討可。
GoでAPI・バックエンドを実務開発した経験があり、DB・Gitを実務で使っている。
Goでの開発に加え、Docker・クラウドの経験を併せ持つ。
Goでマイクロサービス・高負荷処理を設計から担当。Kubernetes・クラウド・CI/CDまで実務経験がある。

Ruby(Rails)

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判定経験の状態
Rubyは触ったがRailsの実務経験が無い/浅い。個人学習中心。
Railsの保守・運用のみで、設計・新規開発の経験が無い。保守案件なら○寄り。
Railsで実務開発の経験があり、DB・SQL・Gitを実務で使っている。
Railsで新規開発または継続的な機能追加を担当。テストも書いている。
Railsで新規サービスを設計から構築。DB設計・テスト・運用・チーム開発まで一通り経験がある。

Python

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判定経験の状態
業務の片手間で簡単なスクリプト・自動化を書いた程度。領域が曖昧。
Python学習はしたが、対象案件の領域(Web/データ/AI)の実務経験が無い。
対象領域(Web/データ/自動化のいずれか)で実務経験がある。SQL・Gitを使っている。
Web系ならフレームワークでAPI開発、データ系なら実務での分析・加工経験がある。
対象領域で設計から運用まで担当。Web系はAPI設計+DB+クラウド、データ/AI系は分析設計+示唆出し/モデル運用まで経験がある。

09 / Mismatch

営業がやりがちなNG提案

現場で実際に起きやすいミスマッチ。どれも「言語名や肩書きだけで判断した」ことが原因。

Figure 05 / 言語名の一致 ≠ 提案可

「Python経験あり」 ✗ AI人材とは限らない 確認: 機械学習の実務経験 「Ruby経験あり」 ✗ Rails即戦力とは限らない 確認: Rails実務と担当工程 「Go経験あり」 ✗ 高負荷API即戦力とは限らない 確認: 実務での使用・規模
言語名が合っていても「即戦力」とは限らない。同じ名前の裏で別の実務が要る。提案前に右列を必ず確認する。

共通する教訓

NG提案はすべて「言語名・年数・肩書きだけで決めた」ことが原因。提案前に「この経験は、この案件で本当に通用するか?」を一度問い直す。

提案前に止まるチェック

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よくあるNGなぜ危ない提案前に確認
Python経験ありだけでAI人材と判断Pythonの大半はWeb・自動化・データ用途。AI/機械学習は別スキル。機械学習の実務経験、データ前処理、モデル構築・運用。
Ruby経験ありだけでRails即戦力RubyとRailsは分けて見る。Rails実務がなければ即戦力にならない。Railsの記載、担当工程、DB設計、テスト経験。
Go経験ありだけで高負荷APIへ提案Go経験は学習レベルから大規模実務まで幅が広い。実務か、設計か改修か、高負荷・並行処理の経験。
個人学習のみのGoを即戦力扱いGoは経験者が少なく、個人学習レベルが混ざりやすい。本番システムでの使用箇所、チーム開発、レビュー経験。
Java / PHP経験者を確認なしにGoへ提案設計力があっても、Go実務必須なら通らない場合がある。言語不問・キャッチアップ前提か、Go学習状況、制作物。
Rails保守だけの人を新規設計へ強く提案保守と新規は別物。設計・0→1の経験が無いとズレる。新規設計、DB設計、本人の志向。
簡単なPythonスクリプト経験をデータ分析扱い「Pythonが書ける」と「データ分析ができる」は別。分析実務、SQL、可視化、示唆出し、統計理解。

10 / Practice

案件読解演習

案件と候補者を読んで、提案できるか・できないか、その理由、面談で何を追加確認するかを考える。

演習1: GoのAPI開発案件

Java経験5年、Goは独学半年の候補者

案件概要・必須/尚可

  • 自社WebサービスのバックエンドをGoで開発・改修
  • Gin使用、GCP上で稼働、アクセス数が多い
  • 必須: GoでのAPI開発実務経験 / SQL / Git
  • 尚可: GCP / Docker / 高負荷処理

候補者プロフィール

  • 30歳。Javaで業務システム5年
  • Goは半年前から独学
  • 個人で簡単なAPIツールを作成
  • 実務でのGo使用経験は無し

問い: この候補者をそのまま強く提案できるか。面談で何を追加確認するか。

回答を見る

提案可否は△。必須のGo API実務を満たしていない。Javaでの設計力は材料になるが、高負荷・安定稼働重視の案件でGo実務未経験はリスクが高い。案件側が他言語経験者・キャッチアップ可か、個人制作物の中身、Javaでの設計・API経験の具体度を確認する。可能ならポテンシャル枠として制作物を添えて打診する。

演習2: Ruby on Rails 保守案件

Rails保守3年、新規設計は少ない候補者

案件概要・必須/尚可

  • 稼働中のRails製Webサービス、運用7年
  • 保守・機能追加・障害対応
  • 必須: Rails実務 / 既存コード改修 / Git
  • 尚可: RSpec / AWS

候補者プロフィール

  • 28歳。Railsで自社サービス運用・保守3年
  • 既存コード改修、バグ修正、小さな機能追加が中心
  • 新規の設計経験は少ない

問い: 保守案件として提案できるか。面談で何を確認するか。

回答を見る

提案可否は◎。保守案件としては好相性。必須のRails実務と既存コード改修を満たす。新規設計より、既存コードを読んで安全に直す力が重要な案件と合う。障害対応、テスト、チーム開発の進め方、長期運用サービスへの抵抗感を確認する。

演習3: Pythonのデータ分析案件

Django経験2年、データ分析は未経験の候補者

案件概要・必須/尚可

  • 小売企業の販売データを分析し、売上改善の示唆を出す
  • pandas・SQLを多用、レポート・可視化
  • 必須: Pythonデータ分析実務 / SQL / 可視化
  • 尚可: 統計 / BIツール / クラウド上のデータ基盤

候補者プロフィール

  • 26歳。PythonでWeb API開発(Django)2年
  • データ分析は業務未経験
  • 独学でpandasを少し触ったことがある

問い: Python経験者としてデータ分析案件に提案できるか。提案先をどう考えるか。

回答を見る

提案可否は△〜×。PythonのWeb開発経験は豊富だが、案件が求めるのはデータ分析の実務。同じPythonでも領域が違う。本人がデータ分析方向にキャリアチェンジしたいか、学習状況と成果物を確認する。基本はPython Web API案件でこそ強く提案できる人材として切り替える。

11 / Proposal

提案コメント例

ポイントは、対象言語・フレームワークの実務経験、担当工程と周辺スキル、懸念があれば正直に添えること。

提案時の注意点

  • 言語・フレームワーク → 工程 → 周辺スキル → 人物像の順で書く
  • 経験していないことは書かない
  • 懸念がある場合は、隠さず「キャッチアップ前提でのご提案」と添える

顧客に送れるコメント例

GoGo案件にて、API開発の実務経験を持つ候補者をご提案いたします。直近案件では、自社WebサービスのバックエンドをGo(Gin)で2年担当し、API設計から実装・テストまで一貫して経験しております。PostgreSQL、Docker、GCP上での稼働、Git・CI/CDにも慣れており、高負荷を見据えた開発が可能です。
RubyRuby on Rails の保守・運用案件にて、即戦力候補をご提案いたします。稼働中の自社サービスをRailsで3年保守し、既存コードの改修・機能追加・障害対応を中心に担当してまいりました。RSpecでのテスト整備も経験しており、長期運用フェーズのサービスに落ち着いて対応できる人材です。
PythonPython のWeb API開発案件にて、候補者をご提案いたします。直近では業務システムのバックエンドをPython(FastAPI / Django)で3年担当し、API設計・実装・テストまで対応しておりました。DB設計・SQL、AWS、Docker・Git・CI/CDを用いたチーム開発にも慣れております。

12 / Check

確認テスト

選択式・○×式・記述式・ケース判断を混ぜた確認テスト。各問に回答と解説を付ける。

研修後にできてほしいこと

言語名だけで判断せず、領域・工程・フレームワーク・周辺スキルから提案可否を説明できる状態。

Q1. 「高速・並行処理・大規模なバックエンドやマイクロサービス」で最も使われやすい言語はどれか。
A. Ruby
B. Go
C. Python(データ分析用途)
回答: B. Go。Goは速度・並行処理・大規模処理に強く、API・マイクロサービス・クラウドネイティブ系で使われやすい。
Q2. 「Python経験あり」と書かれていれば、AI / 機械学習案件に提案して問題ない。
回答: ×。Pythonの用途はWeb・自動化・データ・AIと幅広い。AI案件に出すには機械学習の実務経験を別途確認する。
Q3. Ruby案件は、実質的にほとんどが Ruby on Rails 案件である。
回答: ○。RubyはRailsとほぼセットで使われる。ただしRails経験の深さと工程は分けて確認する。
Q4. Go案件のスキルシートで、最も注意して確認すべきなのはどれか。
A. 年数
B. 実務か個人学習か
C. 好きな言語か
回答: B。Goは経験者が少なく、個人学習レベルが混ざりやすい。年数より実務で使ったかの確認が重要。
Q5. 案件概要に「Django」「FastAPI」とある。これはどの領域の案件と読むのが妥当か。
回答: PythonのWeb / API開発。Django・FastAPI・FlaskはPythonのWeb/APIフレームワーク。
Q6. Railsの保守経験しかない人を、新規サービスの設計案件に強く提案するのは適切である。
回答: ×。保守と新規設計は求められる力が違う。設計・0→1の経験を確認する。
Q7. 「Python 3年」とだけ書かれていた。確認すべきことを3つ挙げよ。
回答例: どの領域で使ったか、実務か個人学習かと担当工程、フレームワーク・DB・クラウドなど周辺スキルの有無。年数だけでは判断できない。
Q8. 「GoでのAPI開発実務2年、GCP・Docker経験あり」の候補者を高負荷Go(Gin)API案件に提案できるか。
回答例: 提案できる(○〜◎)。必須のGo API実務を満たし、GCP・Dockerも備える。高負荷経験まであれば◎。面談で並行処理・高負荷経験を確認する。
Q9. 「PythonでWeb API開発(Django)3年。データ分析は未経験」の候補者をデータ分析案件に提案したい営業へどう助言するか。
回答例: 強く出すべきでない。同じPythonでもWeb開発とデータ分析は別領域。Python Web API案件に提案先を切り替えるよう助言する。
Q10. モダンな開発現場で、無い場合に個人学習レベルを疑う材料になりやすいものはどれか。
A. ゲーム開発
B. Git / Docker
C. デザイン
回答: B。GitとDockerはチーム開発の現場でほぼ前提。記載が無い場合は実務経験の薄さを疑う材料になる。
Q11. JavaのベテランをGo案件に提案する際、面談前に営業がやっておくべきことは?
回答例: 案件側が他言語経験者歓迎/キャッチアップ前提かを確認し、候補者のGo学習状況・制作物、Javaでの設計・API経験を整理する。
Q12. 案件概要で「必須スキル」と「尚可スキル」を読み分ける必要はなく、すべて同じ重みで判断してよい。
回答: ×。必須は妥協できない条件、尚可は加点要素。読み違えると通らない人を強く推したり、通る人を見送ったりする。

13 / Summary

まとめ

新人営業が必ず持ち帰るべきポイント。提案前に「この経験は、この案件で本当に通用するか?」を問い直す。

案件概要

Go / Ruby / Python は同じグループに見えて用途が全く違う。案件の領域を最初に読む。

スキルシート

言語名・年数・肩書きだけで判断しない。実務か学習か、工程、フレームワーク、領域を見る。

面談

Pythonは領域を確定。Rubyは新規か保守か。Goは実務か個人学習かを必ず分ける。

提案

DB / SQL / クラウド / Docker / Git / CI/CD / テスト / チーム開発 / 保守が採用可否と単価を左右する。